■ 106 白倉天ヶ峯と周辺の巨石信仰を巡る/豊田市 ■

一般には王滝渓谷近くの天ヶ峯が知られていますが,その北東にあるもう一つの天ヶ峯と,この一帯の巨石信仰の地を廻りました。(一部は再訪)
今回の5ヶ所のうち,3ヶ所は中根洋治氏の「愛知発巨石信仰」に載っていますが,御前様の祠は今回移動中にたまたま見つけた場所,下国谷熊野神社は前から一度行こうとしていた神社ですが,「トレッキング愛知」の3/24にUPされたのを機会にして今回初探訪。

それぞれの場所は「神明さん」「白倉天ヶ峯」以外は,少々離れているので,車で移動します。
ただし,はっきり言ってこの一帯の山間部の道は,慣れていない人には大変わかりにくく困難なルートとなります。
ナビで場所を指示されてもそこへ至る道が地図上に表示されない,或いはこの道でいいのか迷うような分岐だらけといっていいでしょう。
慣れ,或いは少々の覚悟,または地元民への聞き込みが必要かも。

「白倉天ヶ峯」は中電の反射板を目的にすれば,神明さんの前を通ってたどり着けますが,最初に訪れたときは白倉の集落で場所を聞き廻りました。
(今回は二度目とあってすんなり到着しましたが,初めての方は現地で聞く事をお薦めします)
なお,神明さん,白倉天ヶ峯,岩谷観音の三つは2009年5月21日の中日新聞に紹介されています。
ともかく人知を超える圧倒的な巨石を前にすると,いにしえの時代に畏怖と敬意を寄せた人々の心情に少し近づいた気になります。
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この地図は,国土地理院長の承認を得て,同院発行の数値地図50000(地図画像),数値地図25000(地図画像)及び電子地形図25000を複製したものである。(承認番号 平26情複、第48号)
この地図を第三者がさらに複製する場合には,国土地理院の長の承認を得ることが必要です。
巴川沿いに足助街道(県道39号)を北上し,則定の橋手前から分岐して白倉町へ。
まずは下国谷熊野神社へ向かいますが,地理院地図でないと場所の特定が困難かも?
急坂なので早めに車を路肩に止めて歩きます。巨石の脇を通り,多くの幟の立つ国盛神社を参拝してから着いた熊野神社は,山中と思えぬきれいな境内。
神社背後のピークは磐座を思わせる地で,境内摂社としての神明宮は巨石の上に祠があります。

神明さん,白倉天ヶ峯へはここから南下しますが,その場所は・・・うーむ,説明しようがない。
車を路肩に停め,ともかく中電の反射板を目指して歩けば,まず神明さん,そして分岐から尾根を目指せば,息が切れる頃に反射板を経て山頂のテラス状巨石の上に出ます。
この地の展望は言うまでもなし。
巨石西側に祠が建てられた,典型的な巨石信仰の祭祀の場所です。

ここから岩谷観音に向かう途中,四ツ松町に入ったところで案内板を見つけて見に行ったのが御前様の祠です(右地図上端)。
イワレは手作り案内板を読んでもらうとして,ここも見事な巨石がそそり立ち,その根元に持たせかけるようにして祠が作られていました。

最後は,かつて鬼が住んでいたという伝説の場所である岩谷観音。
聖徳太子(572年生)と僧行基(668年生)による2体の観音像を秘仏として祭る,との話ですが,ちょっと年代が離れすぎていないか?
石の大きさは他と較べても,圧倒的なサイズといえます。足助観光教会によれば「17年ごとのご開帳が行われている」との案内ですが,前回はH11年,とすれば次回は来年ということになる。
はたして17年ごとの祀りが行われるのかどうか,大変気になるところである。
追記:2016年3月27日(日)午前中のみ拝観できたようです・・・後日知りました,まったく残念。

白倉天ヶ峯の場所はここ⇒MAPION
岩谷観音の場所はここ⇒MAPION
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この地図は,国土地理院長の承認を得て,同院発行の数値地図50000(地図画像),数値地図25000(地図画像)及び電子地形図25000を複製したものである。(承認番号 平26情複、第48号)
この地図を第三者がさらに複製する場合には,国土地理院の長の承認を得ることが必要です。

kumano1rock.JPG 下国谷熊野神社へ歩き始めてすぐ巨石に会う。kumano2inari.JPG

道なりに登っていくと,国盛稲荷のたくさんの幟(幟は国栄稲荷になってます)が見えます。(右)

祠には,かわいらしい狐の人形が祀られていました。
kumano3.JPG 下国谷熊野神社は,山中にしては広い境内。
kumano4karasu.JPG
ここに八咫烏が飾ってあってもおかしくはないが(右画),わざわざエッチングを額に入れてあるのは何故なのだろう?
 
kumano5sinmei.JPG 左:境内摂社の神明宮。
見てのとおり,巨石の上に祠があります。 kumano6top.JPG

右:神社の背後のピーク地点。
かつての祭祀の場であったと思える雰囲気が濃厚。
kumano7byke.JPG 下国谷熊野神社一帯には,エンジン音が響いていました。
 何事だ?と帰路に見えたのは,モトクロスのレースでした。(クリック→拡大・・・バイクが見えます)
sinmei1.JPG 神明さんへの登り口。(中電REFの標識)
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5分ほどで,鳥居・石段の上にポッカリ開いた開口部に着きます。(右画)
sinmei3.JPG 神明さんは白倉集落の氏神様です。
このような氏神様は大変珍しいとか。
もともとの巨石信仰の地に,のちに神明社を祀ったと考えるのが妥当でしょう。

画像ではこの巨石の全体像が伝わらず,実に残念です。せっかく来たなら,背後の岩場を一周し,この見事な天然の造詣を味わいたいところ。
tengamine1.JPG tengamine2annai.jpg
左:神明さんから天ヶ峯へ向かうルートはよく整備されています。

右:反射板への分岐にある案内。
REFの下に小さく「白倉天ヶ峯」と札が付いています。
tengamine3RF.JPG 中部電力の天ヶ峯反射板からは,とうぜんのように見事な眺望が広がる。
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もうすこし晴れていれば御嶽も見えるはずなのだけれど。
tengamine4hokora.JPG そして反射板西側にある山頂(石の上)が,白倉天ヶ峯。

磐座にふさわしい巨石信仰の地。
石の祠が祀られています。  
gozensama1.JPG 御前様の祠と案内板。(拡大すると読めます)gozensama_annai.JPG


 




gozensama_stone.JPG
この一帯は田んぼの中にいわくありげな巨石が転がっていたりするので,油断できない。
iwaya1ALL.JPG 鬼が住んだという伝説の地,岩谷観音の全景。
すぐ横の安静院(浄土宗)は明治期に建てられたというが,すでに無住になって久しい。
iwaya3.JPG 背後に上ってみると,全山巨石だらけの山です。iwaya2annai.JPG

右は岩谷観音の入口に立つ案内板。


2015.04.16 UP ■二代目に戻る■
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