■ 111 長江の棚田/設楽町 ■

愛知県には棚田百選に選ばれた棚田が2ヵ所あります。
名前の知られる四谷千枚田(新城市)は今も数百枚の田んぼが見事な斜面を形成していますが,もう一つが長江の棚田(設楽町)です。
でも,こちらはほとんど紹介されることもなく,場所もわかりにくいうえ今は耕作農家も減り,かつての棚田風景は見られないとのことです。
しかしまあ,天気も良いことだし,その長江の棚田と近くの旧伊那街道を訪れてみました。
(おりしも9月17日の中日新聞に,この棚田が絶滅の危機にあるとの記事が掲載されておりました)
111長江棚田
この地図は,国土地理院長の承認を得て,同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものである。(承認番号 平27情復、第109号)
この地図を第三者がさらに複製する場合には,国土地理院の長の承認を得ることが必要です。
No1長江のバス停の前が長江集会所で,この付近は道が広いので路肩駐車させてもらいました。(
そこからでも,直線的に作られた石垣の棚田(というか段々畑)が見られますが、これは棚田百選ではなかった。

上部に見える巨木(No2遠山家のヒノキ)を目指して斜面を登っていくと,いくつもの祠とともに祀られた大ヒノキは,この集落の象徴のようでした。
ここから長江神社へ向かいます。
案内に沿ってNo3の迂回路を登り,脇から神社に着くと,町指定の天然記念物の社叢林(ツガ,コウヤマキ,サカキ,ヒメシャラ)に囲まれた静かな境内がありました。
帰りは参道石段を下りましたが,これがとんでもなく急で踏石幅が小さく,なかなか大変な石段で要注意です。

集落を廻って駐車地に戻る途中で会った住人に聞いてみると,集落下の県道427号の反対側斜面が本来の棚田の場所で,今はもうほとんど使われていないという話です。

その場所,No5付近から西斜面を見ると,曲線で構成されたきれいな棚田なのですが,残念ながら田んぼとして残っているのは上部だけで,他は荒地に帰りつつあります。
・長江の棚田の場所はこちら⇒ mapionS_.gif

集落 No1付近から長江の集落を見あげる。
きれいな石垣が何段にも連なってます。

左端が遠山家。
中央のこんもりした森(社叢)の中に長江神社。
左脇から廻って急な石段を迂回する道がある。
ヒノキ ヒノキL
No2 遠山家のヒノキ。
(樹齢650年)

右はその根元ですが,石碑・石仏が並び,幹には注連縄が巻かれています。

神社 由緒長江神社境内。
ここは車乗入ができないようだ・・・補修がたいへんそう。

右:神社由来。
1698年創建とある。
神社下 長江神社の正面参道石段(No4)を下ったところから見た風景。
直線的な石垣で構成された棚田が見えるが,棚田百選に選ばれた場所ではない。
見に来た人はみなさん勘違いしているようだ。

というか、大部分が違う・・・ネット上の観光案内でさえ間違えたページがあるので、地元で聞かなければ本来の場所はわからないでしょうね。  
棚田 No5から西方向を見る・・・本来の棚田
手前付近こそ田が残っているがその先はすべて耕作放棄地。
1975年の航空写真の見事な棚田は必見です。
ウェブで過去の地形図や空中写真を見る
平岩峠 行者
旧伊那街道,平岩峠の石仏群。(長江から車で5分)

残念ながら,ここも設楽ダム関連の道路建設工事で,風前のともし火である。
右は役行者像。

2015.10.18UP ■二代目に戻る■
inserted by FC2 system