■ 151 高天神城、犬戻り猿戻り/掛川市(静岡) ■

 久しぶりの里山は、ちょっと遠征して遠州掛川市の高天神城へ行ってきました。
戦国時代に武田信玄・勝頼と徳川家康による数次の戦いで、取ったり取られたりした平山城です。
最後は徳川軍の包囲の中、800〜900の武田軍が打って出て全滅したという話ですが、一部が「犬戻り猿戻り」と呼ぶ細い尾根道で甲府まで脱出したといわれています。
(「レイリ」というマンガにこの辺りのことが詳しくて、これを読んだから出かける気になったといえます・・・史実と合っているかは別として大変面白く読めます)
城址へは北口と南口がありますが、「南口」に駐車して入城しました。(城はやはり追手門から入りたい)
広く複雑に入り組んだ城址ですが、三の丸から順次見て歩き、馬場平から続く「犬戻り猿戻り」(これが目玉)の尾根道を通り、「林の谷池」に下って一周しました。
とにかく急峻な崖と堀切に囲まれたすばらしい堅守の城という印象です。
No13の分岐で北に下ったのですが、尾根道はまだ続いていましたので、いつの日か行けるところまで歩いてみたいというのが今回の心残り。
151高天神城
この地図は,国土地理院長の承認を得て,同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものである。(承認番号 平30情復、第192号)
この地図を第三者がさらに複製する場合には,国土地理院の長の承認を得ることが必要です。
No1に南口案内板(下)があり、ここから入って200mほど登ると南口に着きます。
南口案内No2鳥居を抜けてすこし登るとNo3追手門跡(枯れた巨スギが残るのみ)、到着櫓(物見台?)からNo4三の丸まで登ると正面に富士山、その北に南アルプス聖岳の白い峰が出迎えてくれました。
No6本丸へ至る途中に何故かコンクリートの土台が残っている。(軍医が建てた模擬天主があったというNo5御前曲輪・・・何だそれ?)
本丸から土塁外側を廻って、武田氏支配の時代に大河内政局が8年幽閉されたという石窟(No7)を見に行きますが、格子状の柵で塞がれた穴の奥は土のうで埋められていて石窟内部は見られません。
さらに西へ進むと、搦手門からの登城口に三日月井戸(No8)、その一帯が井戸曲輪で、ここが城の中心部のように思われます。(No9)

高天神社に登る前に二の丸へ行くとここもけっこうな広さで、北西への尾根筋には10mの巨大な堀切(No10)があり、400年経ってなおこの規模で残るのはすごい。
No11高天神社(西の丸)は道路もないのに大きな本殿と神楽殿・社務所が建っています。(資材は人力かヘリで運んだとしか思えない)
まもなくの例大祭(3/31)ではここで神楽が奉納されるようです。
No12馬場平から犬戻り猿戻りの「甚五郎抜け道」を進むと、曲がりくねって上下する尾根道は500mほどでNo13分岐に至る。
尾根道は続くものの(約1kmという話)、この先は踏み跡が薄いようだし、久しぶりの山歩きは無理せず引き返して北に下ることにします。

No14林の谷池は釣り人やワラビ取など、地元民の憩いの地となっているらしい。
林の谷池から舗装路を廻って北口駐車場のNo15まで来ると、「岡部・板倉の碑」という案内があります。(左画)
岡部元信は武田方の総大将、板倉定重は徳川方の武将なんですが、両者の碑が池の近くにあったのを見逃したらしい。(残念ですがこれも次の機会に)
ここからまた城址へ登り返す道もあるのですが、迂回して整備途上の「高天神さくらの丘」の脇を抜けて、南口に戻りました。
これで約2時間半の探索、三の丸か馬場平で大休止(昼食)としたかったのですが、用意してなかったので無念の涙。

☆高天神城址の場所はここです⇒MAPION
遠景 左:No1付近から見る高天神城址。
下:案内図(拡大可)
map
不明 No2鳥居(左)をくぐるとすぐ追手門跡。
下:No3追手門の巨スギ・・・枯れている。
須佐之男 追手門から到着櫓を抜けて登ってくると、広い三の丸(No4)に出た。
トイレや休憩所もあるので、何か買ってきてここで昼食にすればよかった。
(ちなみに城址周辺にはコンビニも含めて売店・食堂は何もないので注意)
三の丸からの眺望。
左:富士山。
下:南アルプス兎岳(2818m)と聖岳(3013m)

天恩寺 左:No6本丸
下:その東、御前曲輪(No5) 整層樵石積み
三の丸 左:No7大河内政局幽閉の石窟。

足掛け8年はむろん大変だけれど、朝日だけはかろうじて差し込んだのではないか?
三の丸 左:No8三日月井戸。
武田軍が「几水のことから作った」と説明があるのですが、几水って何?
神棚に捧げる水かと想像するが、これでは解説になってない。
三の丸 左:No9井戸曲輪。
牛が出迎えです。(天神様ですから)
下:今も水をたたえる「かな井戸」
三の丸 左:神社への石段を登ると、
大きな本殿とその左に神楽殿。(下)
馬場平堀切 左:馬場平への大きな堀切。
下:馬場平と甚五郎抜け道の解説。
三の丸 左:犬戻り猿戻りの入口付近。

下:No14林の谷池への分岐。
三の丸 左:北への尾根を下ってNo14林の谷池。
釣り人が見えています。
下:茶畑を見ながら南口に戻りました。

2019.03.30 UP ■二代目に戻る■
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