■ 183 秦梨鏡岩/岡崎市 ■

鏡岩というのは全国にある地名ですが,この近辺で思いつくのはまず鳳来寺の巨大な岩壁「鏡岩」です。
ガラス質で光る松脂岩からの名称のようですが,同様のチャート岩で光岩(No126でUP)というのも田原市にあります。
あまり知られてませんが,岡崎市東部の山あいにあるという「鏡岩」はどういうものなのか興味が湧きます。
秦梨小学校の史跡一覧には,昭和40年頃という写真と共に
「むかし,誰かが岩の中心部に鉄の棒を打ち込み,雷の落ちるのを待ってわらせたようである」と載っています。
ウバ神さんの裏山の山頂という話だけをたよりに登ってみました。
183鏡岩
この地図は,国土地理院発行の電子地形図(タイル)を複製・追記したものである。
県道35号のNo1に建つ案内板で分岐左折,しかし車を止める場所がなく,鏡山神社まで登って境内下に駐車()しました。
参拝後,うば神様(産婆神)までいったん下って周辺を探索しますが山へ向かうような道はなさそう。
再び戻って神社前を北へ向かう作業林道を進むと,No2で人の通った跡らしきものを発見。
踏み跡は人家か水田跡と思われる石垣で消えましたが,すぐ近くに直登していく古い道を見つけてこれをたどります。
No3まで登ると巨樹,そしてその根元には祠(祠本体はモルタル製でわりと新しそう),これでルートは間違いないようです。
この祠から間もなく,岩のゴロゴロする斜面No4に出ると,そのすぐ上に巨石が・・・鏡岩(No5)でした。
小さな案内板(左画)が建っています。
二つに分かれた岩を見たところでは,光り輝くような石質とは思えません。(かつては輝いていた?)
鉄棒を打ち込んだという痕跡も見えないし・・・まあ,伝説の域の話なのでしょうが。

山頂よりかなり下でしたから,行けるものなら山頂三角点へと,No6付近を偵察しましたが,まともな道はないようです。
冬とはいえヤブ漕ぎする元気はないのであきらめて下りました。

意外に早く鏡岩を見つけたので,秦梨の集落を探索します。(犬連れだと多少は”怪しさ”を緩和できるのでは?と希望しつつ)
No7須佐之男神社はなかなか強烈な石段を登りますが,西に鏡岩の山を見ることができます。
No8瑞宝泉三六堂は鏡山神社の里宮を兼ねており,周辺の社殿管理とともに御朱印がここで頂けるようです。
(けっこう参拝者がいるらしい)
そしてNo9秦梨城址を訪ねたところで,雨がポツポツ・・・本日はここまでとしました。
ここ秦梨は南朝の時代からの郷で,「天岩戸伝説」や松平氏との争いに関係する「自在竜神の碑」など史跡が多い。(右画:竜神の像と自在龍神と彫られた石碑・・・竜神の右後ろ)
☆秦梨鏡岩の場所はこちら⇒mapion
付記:山頂にある四等三角点「板平(イタダイラ)」の点の記を見ると,北側の林道から登っているようです。(機会があればいつか)
分岐 左:県道からの分岐,案内に「鏡山弁財天」とある。

下:左にある石碑には「ここは石亀,産婆神百二十六米,参拝所二百七十六米,鏡岩五百九十五米」と彫られています。石碑
鏡山神社 左:鏡山神社
由緒によれば1974年に神のお告げにより開山したという神社。

下:うば神・・・神社よりはるか昔からの信仰の地ですね。
うば神
林道 左:神社前を北に延びる作業道ですが,山を周回するようで山頂とは方向が違う。

下左:上記作業道から左へ分岐する入口No2。
下右:崩れた石垣で行き止まり。
入口石垣
踏み跡 左:鏡岩への踏み跡をたどる。
下&右:No3日月神社の祠(左に月,右に日) 左・右
祠
鏡岩 左:No5鏡岩と倒れた半面(の下面が鏡?)。
割れる前の形状からはむしろ鏡餅を連想させる。
岩
右:No4付近は巨石がゴロゴロ,その最奥に鏡岩。



下:No6からの山頂方向。
この先進むのをためらって撤退。
撤退
スサノオ神社 左:No7須佐之男神社

下:神社から見る鏡岩の山・・・向白補毛山というようだ。
向白補毛山
三六堂 瑞宝泉左:No8瑞宝泉三六堂。
軒下に掛かる扁額替わりの記名板(右画)には「真名井から湧きいずる瑞宝泉」と書かれており,霊水を頂けるらしい。
そしてこの建物が1970年頃に神のお告げにより開いた「三六堂」。(ネットを調べた情報では鏡山神社創建と同じ人?)

「真名井の泉」というのは丹後国や出雲,熊野etcにあり,高千穂には有名な真名井の滝があります。

「乙川龍神 めのうず社」にも縁があるようですので,いずれ行ってみよう。

城址 左:No9秦梨城址。(携帯用アンテナが建っている)
15年くらい前に来たのですが,これほど広くなかったと思う。

下左:左画の右端に見えている城址石碑と供養塔。
下右:秦梨城址と秦梨城山城の案内。(二つは別→拡大可)
城址碑 縄張図

2023.02.04 UP ■三代目に戻る■
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