■ 082 天狗棚・石の広場/設楽町 ■

しばらく出かけないうちに8月葉月,連日気温は30度代後半という,数年ぶりの猛暑となってしまいました。
こうなると愛知の尾根と言われる,標高のある茶臼山方面へ行くほかには適当な山が思いつきません。
ということで2002年以来という,久しぶりの天狗棚(1240m)に行ってきました。

ここはその名のとおり天狗の山で,山頂の大天狗の岩穴,天狗の奥山,石の広場などいくつもの天狗伝説が残っているようです。
雨模様の日には津具の町から天狗の火が見えるとか("愛知の130山"の解説),直下の石の広場では小天狗たちが修行に励んでいたとか(奥三河名山八選のパンフレットより)・・・。
近くの碁盤石山には,勝負に負けた天狗が碁盤をひっくり返したという"天狗の庭"がありますし,この一帯は,信州南部に至る天白様信仰と重なり,たいへん天狗に親しみある地域なのかもしれません。(遠山郷では,天白様は天狗の神様だという話です)
ただ,山頂付近に残るという大天狗の岩穴は,ネット上で捜してもその画像が見つからず,ほんとにあるのかは不明です。
この日は標高1000m付近でも30度という暑さで(名古屋37度),"面の木原生林"の探勝や"天狗の奥山"へのルートはパスし,気軽に歩ける範囲で天狗棚山頂と"石の広場"一帯を周回してみました。
82map.gif
この地図は,国土地理院長の承認を得て,同院発行の数値地図50000(地図画像),数値地図25000(地図画像)及び電子地形図25000を複製したものである。(承認番号 平26情複、第48号)
この地図を第三者がさらに複製する場合には,国土地理院の長の承認を得ることが必要です。
茶臼山高原道路の「面の木」ICで県道80号に出て,その高原道路をくぐって津具方面に下るところから分岐し林道に入ります。
木地師の住居跡直下の広場()に車を止めて,ここから歩き始めることにします。
まずは湿原地帯にある木地師の住居跡(No1)で復元家屋を見るのですが,トラロープに囲まれ「危険」の札が下がっている。
屋根に石を載せた台風地域の物置か?とも見える木造住居再現ですが,作ったあとの維持・管理を考えないハコモノ行政では,いずれ朽ちてこういうことになってしまうのでしょう。中へ入れずに残念ですが,もうすぐ倒壊してしまいそう。

No2で林道から分岐,登山道を5分も歩くとかなり古びた鳥居(No3)に出ました。
これが天白神社の鳥居で,そうするとこの登山道は参道ということになりますね。
鳥居を抜けると目の前に天上へ延びる古びた鉄階段,汗をかきつつこれを登れば天狗棚展望台(No4)へ到着です。
前回(2002秋)には人でいっぱいでしたが,今回は展望をひとり占めできました。(この暑さではみな登ってこない!?)
横に天白神社の祠があり,その上方には国常立尊(くにとこたちのみこと)の碑が立っています。
ここから少し登ったピークから先は尾根歩きで,さすがに風が吹けば涼しい。
No5,No6の"面の木園地"へ下る分岐を過ぎ,最後のゆるやかな昇りの先に登頂札のさがる天狗棚山頂()がありました。
前回11年前からするとかなり道が整備され,山頂広場もあるし,これならまず見過ごすことはない。(前回は通過してしまった) 

帰りは,試しに尾根を迂回するコース(緑線)で戻りましたが,やはり尾根道の方が気持ちがいいです。(当然か)
鳥居からそのまま下って"富士見台"(No7)へ行ってみますが,ここは冬でないと全く意味ない風景でした。
その東側の"石の広場"(No8)は,夏草に見え隠れしながら,露出した巨石がたくさん転がっています。
小天狗の修行の場だったとの伝説の地で,おもしろい場所とは思うものの,ちょっと暑すぎてその気分を味わうには情緒が不足。
落葉の秋に来るといいかもしれない,との感想を持ちながら駐車地()へ戻りました。
2時間弱の山歩きですがこの気温では充分に汗かいて,無理しないのをモットーに"面の木原生林"のブナはまた今度にします。
天狗棚の場所はこちら⇒mapion

駐車

駐車した広場()。
木地師住居跡(復元家屋)はこの奥,
湿原地帯の先にあります。
穴

右は入口にあった,三河山間地定番の熊注意看板。
(今回熊鈴は付けなかった)

木地師住居 No1 木地師復元家屋

住居跡は昭和62年発掘。
この内部を見たかったのですが,すでに屋根が傾いてます。
天白様鳥居 No3 天白神社鳥居。

ますます古びて,風情があるともいえますが,そろそろ倒壊の心配が必要。
鉄階段 鳥居をくぐるとこの鉄階段。
暑い中これを登るのはちょっとためらう。
穴


この階段もかなり錆びており,そろそろ補修しないと通行禁止は間もなくと思われる。
(右は錆びた踏板に開いた穴)
展望台 No4 天狗棚展望台。
この時期,きょうのコースでは唯一の展望地。
展望
祠 天狗棚展望台には祠と石碑があります。(左)
石碑祠の祭神は天狗の神様とも言われる天白様らしい。

その上方の石碑(右画)は,
国常立尊(くにとこたちのみこと)で昭和57年建立とある・・・まだ最近(約30年前)ですね。
天狗棚 登頂杭 印:天狗棚山頂(1240m)

単なるちょっとしたピークですが,広場のようになっていて案内板や登頂札があります。 
 (右は根元にあった登頂杭)
富士見台 No7 富士見台。

この時期ですから期待はしませんでしたが,
大きく繁った樹木でまったく展望はない。
(天候以前の問題です)
冬枯の頃なら富士山が見えるかもしれない。
石の広場 No8 "石の広場"の入口。

ここで小天狗を見られたらうれしいのですが,この暑さではさすがに修行する元気はないでしょう。
夏草の消える頃に訪れてみたい。
面の木ビジターセンター No9 天狗棚の象徴,
面の木ビジターセンターの天狗像。

2013.08.15 UP ■戻る■
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