■ 余談27 木曽御岳噴火をスキー場の観点から見る・・・ ■

今年9月27日の御岳噴火は衝撃的でした。
中部圏の人にはわりと身近な山で,登った人も身近にいるし(私は未踏です),愛知の山に登って御岳が見えることは,その山の一つのステータスともいえそう。(見えなくてもあちこちに碑は立ってますが,それだけ御岳信仰は幅広いのでしょう)
その山が秋シーズンの土曜昼という最悪のタイミングで噴火,なんてことだ!・・・でも,これ以上は触れないでおきます。

独立峰御岳周辺には,スキー場がたくさんありますが,噴火に関係しそうなものだけで5つあります。(廃止・休業含む)
本来ならオープン間近のおんたけ2240,チャオおんたけスノーリゾート,開田高原マイア,そして濁河,おんたけロープウェイ。
閉鎖の濁河温泉はいいとして,おんたけロープウェイは今シーズンの観光ゴンドラ運行が早く休止されました。
チャオおんたけと開田高原マイア(下地図上端にリフトが見える)は,ギリギリ4km圏警戒区域から外れているので,すでにこの冬の営業を宣言しています。(今冬の客がどの程度来てくれるかは微妙ですが)
問題はおんたけ2240で,ゴンドラ・スカイラブの1/3くらいが4kmに入ってしまいます。
3.5kmだったらたぶん外れるのですが,現在警戒区域を見直す話は出ていないので,この冬の営業は厳しい状態です。
(11/4現在,ホームページでは12/5のオープン予定とのテロップが流れていますが,私は難しいと思う)

かつてのおんたけスキー場は,今のメインゲレンデのほか,急斜面のチャンピオンとなだらかな高原ゲレンデで変化に富んだロングコースの素敵なスキー場で,名古屋市おんたけ休暇村もあり,中京圏にたくさんの愛好者がいました。
しかし,とにかく場所が遠いのだ。
中津川ICから国道19号で木曽福島まで60km位走り,木曽川を渡って王滝村を抜け,延々と凍結林道を走ってたどり着くという場所的弱点はどうしようもなく,東海北陸道開通以後は客が減ってずっと厳しい営業状態でした。(王滝村の借金はここに大きな原因があった)
営業母体を変えゲレンデを減らして効率化し,何とかここまで来たものの,たとえ今年オープンできても来客数は期待できないでしょう。(いまなお行方不明6名という現実を前にしては・・・)
では来冬はどうかというと,これもたいへんキビシイと言わざるをえず,何度も通った好きなスキー場だけにこの状況は悲しい。
もしかして先行き木曽路で残るのは,最古参の薮原スキー場のみ?(ここも苦しいが,古いだけに借金が少ないはず)
27ontake4km.gif
・スキー場はどこも大変ですが,開田高原マイアと木曽福島スキー場と御岳ロープウェイの3つは営業母体を統一し,生き残りを図っています。(アスモグループ株式会社)
・チャオおんたけスノーリゾートでは,昨シーズンに名古屋発日帰りで「一日券+スキー/スノボレンタル+交通費で¥4200」という信じられないパックツアーがあり,他にも斬新な価格設定があるようです。(母体がJR東海だから出来ることでしょうが,それにしても安すぎないか?)
・濁河温泉スキー場は2010年で廃止,おんたけロープウェイは2010年よりスキー場休止,観光ゴンドラのみ運行していました(今シーズンはすでに休止)。
・地図外の北西方向に鈴蘭高原スキー場(私の記憶では頭に"おんたけ"が付いていた)というのもありましたが,こちらはすでに2006年に廃止。(ゴルフ場は営業)
・上記画像はカシミールとPictBear,Sai Draw Trialを使って作成しました。また,同心円中心の火口位置は概略です。
この地図は,国土地理院長の承認を得て,同院発行の数値地図50000(地図画像),数値地図25000(地図画像)及び電子地形図25000を複製したものである。(承認番号 平26情複,第48号)
この地図を第三者がさらに複製する場合には,国土地理院の長の承認を得ることが必要です。
追記1:12/5のおんたけ2240オープンは見送りと発表,しかし規制区域緩和があれば営業開始もあるとの報道がありました。(11/5中日新聞夕刊による)
追記2:2015.1.19 気象庁は規制を3km圏内に縮小,これを受けて準備を進め,おんたけ2240は2/26から営業を開始しました。(それなりに健闘しましたが雪不足で4/26に終了←例年ゴールデンウィークまで営業しますが,根雪の準備不足でしょう)

2014.11.04UP ■ 余談一覧に戻る ■
inserted by FC2 system