■ 余談43 保護犬を引き取る話 ■

2020年2月2日、二代目の和犬は16歳5ヵ月で「虹の橋」へ旅立ちました。(→No156 二代目和犬逝く
年齢的にもう犬はあきらめようかと思っていたのですが、迷った末にあらためて犬を飼うことを決意、それなりの経緯を経て2020年12月に里親となりました。
その経過を残しておきます。(関西の里親募集者とのやり取りはストレスのたまるものでしたので、この経験も忘れぬように)
最近知られてきた「保護犬」という書き方ですが、行政機関(保健所等)に収容された野犬や迷い犬・飼育放棄された犬を保護団体が引き出した、或いは事情で飼えなくなり直接保護団体で引き受け一時預かりとなっている犬たちを指しています。
行政機関(保健所等)でも以前に比べると収容犬・猫の里親探しに積極的で、個人でも里親になれますが、単身や60歳以上の引取応募を認めていない(保証人付きで可もある)ようですから、 まず民間のネット情報(具体的にはたくさんある里親募集サイト・各団体のHP)で高齢者可という里親募集を調べるのが一般的と考えられます。
むぎまる今までも里親募集サイトは目を通していましたが、2020年秋になって本気で犬を飼うことを検討、具体的に 「中型・和犬・成犬・近県」を目安に調べるうちにまず目についたのが、となりの市で個人による「3歳オス北海道犬」という募集。(右画)
ただ何故飼えなくなったかの理由にいま一つ納得できないのと、二度お試し期間中に里親から返されているのが気になる。
7月に募集開始したのに”予防注射を受けていない”という点や、体重が書いてないのも疑問です。
この犬は保留して、もう一匹、少々遠い関西圏ながら「5歳オス18kg北海道犬」(左画)に応募してみることにします。
げんき
掲載者は個人が中心の保護グループで、その里親マッチングサイト上には犬・猫・小動物・鳥など常時70匹くらいの募集動物が載せてあり、これは他の掲載者と比べてもかなり多い方です。
コロナ禍で大きな譲渡会はないものの、土日はいつも犬とお見合いができるようなので、こちらのプロフィールを送り、週末に2時間半かけて出かけました。ワールドラブハート
そこは廃工場のような場所、10数匹の犬がつながれて、或いはケージに入れられて里親希望者と対面しています。
次から次へと訪れる里親希望者が近所の田園跡へのお試し散歩に行くのですが、われわれ(ツレアイと二人)の居た2時間ほどの間でも10組以上の里親希望者(関西の人中心)が来て、繰り返し犬を替えて散歩させていました。(その時の第一印象・・・こりゃ犬も大変だ)
希望した犬(上画)はかなり機嫌悪そうで、本気でうなり吠えてきましたが、リードを繋いで散歩に出ると外では素直に歩いてくれます。
ただ、散歩の前後で3回も噛まれ、私個人なら平気でも(2代目和犬にも結構やられた)、他の人間・家族のことを考えると引取りをためらう。ゆうせい
何人かいるボランティアさん(?)が次々と犬を替えての散歩を勧めてくれますので、都合4頭と散歩しましたが、結局訪問前から気になっていたもう一頭の「3歳オス20kg紀州系?雑種」(左画)の引取りを申し出ました。
主催者の女性はこの申し出に乗り気で、引取時の必要品を手書きでメモしてもらい、次の日曜にも犬を届けるというトントン拍子の話になりましたが、とりあえずケージを入手してから改めて日程を決めるとしました。
その日は「犬が決まった」という充実感で噛まれた出血と痛みも気にならず帰宅、翌日ホームセンターで手に入るベッド・首輪・リード・胴輪を買い、ケージはネットで調べて「折り畳みできるものを買いたい」と一応お伺いを立てると、折り畳み式では不満のようで、そこから返答が途絶えました。
催促すると「新しく引き取った犬たちがいるのでもう一度来て欲しい」との電話、翌週また関西へ出かけました。
他の犬を勧めてくるのですが、当方はもう決めている・・・再び同じ犬と散歩して引取りを申し出ますが、返事ははっきりしません。
その後何度も返答を求めたのですが回答を引き延ばすだけ、一度は電話で訳も分からず性急な態度を怒られ、4回目の保留にあって「もうあきらめます」とこちらから断る外ないと判断しメール。(何故はっきりしてくれないのか未だに疑問です)
プロフィールなどのメール内容が読んで貰えず、当方の引取り環境を独断で決めつけ訂正も効かない、2回目の訪問を忘れられた、重要事項が電話連絡のみである等いくつも疑問があるのですが、多くの訪問者とのやり取りをすべて一人でまとめることにそもそも無理があるとの印象です。(土日だけで数十組来る里親希望者と応対するにはかなり整えられたシステムが必要!)
すんなり里親になって感謝する人がいる一方、主催者との話が合わずあきらめる人もいて、いったん波長が合わないと話が止まるらしい。
掲示板では応募者(私)に非があるため里親応募を断ったと書かれて???ですが、希望した犬二匹は半年後の今も里親募集中。
里親に出す気がなかったのかとの疑問も湧き、次々と見合い散歩させられる劣悪な環境の犬たちに同情しますが、私にはどうしようもない。
げんた次に気になったのは名古屋のドッグトレーナー系社団法人が里親募集していた「8歳オス22kg和犬風」(右画像・・・ウチの初代和犬とそっくり)、これも何かの縁と思って申し込みました。(だんだん希望する犬の体重が増えていった!)
しかし、この犬はタッチの差で先に申し込んだ方がおり、トライアルの予備候補には入れてもらいましたが、現実的にはあきらめざるをえませんでした。
ハナさて、そのあと間もなく見つけたのが、左画像の「5歳メス12kg甲斐犬mix」という募集でした。
となりの市(最初とは別)の、子犬を中心に年間200匹以上世話している保護犬カフェ運営NPOで、少ないけれど成犬も里親募集しているようです。(最近シェルターが新しくなったらしい)
体重12kgは私には小型犬の範囲ですが、黒系の犬は初めてで、甲斐犬風というのも興味があります。
申し込むとすんなり了解メールが来て、その週末にはお見合い決定。
その日一度近所の散歩をしたあとであっさり引取りが成立、保護費用他¥36920を支払い、ケージを借りて帰宅。
結局のところ里親活動の最後は、近くであっけないほど簡単に決まってしまいました。

拘束ハナ引き取った犬は、初代/二代目和犬に比べてひと回り小さく、北九州市動物愛護センターから現地保護団体が引出し、保護グループのつながりでこちらへやってきたらしい。(北九州市の書類が付随、譲渡会の子犬も九州からくる犬がいる様子)
譲渡書類やたら怖がりで、特に自転車・子どもへの警戒心が強く、いつもシッポは後ろ足の間。野良,或いは人との関りがほとんどない環境だったのか?との想像も出来るほどの異常なまでの警戒心で,口元には大きな傷跡。
その後散歩には少しずつ慣れてきましたが、帰ってくると部屋隅の自分のベッドから全く出てこない生活が続いてます。
ごはん時はやっと5,6歩出て来てますが、近くに人がいると今なお警戒して食べないし、もちろん呼んでも来ません。(名前を呼ばれる生活とは無縁で、また、名前ということを認識してないと思われる)

当初から予定していた避妊手術を引取り後半年で実施したので、いったん戻ってしまった警戒心を今またゆっくり解凍中です。(左上:手術後にエリザベスカラーとネット包帯で動く気力もなし)
3代目の「和犬と里山を歩く」のUPまでには、まだしばらく時間がかかりそう。
  ☆最初に検討したとなりの市の北海道犬は、その後里親が決まったようです。
  ☆文中に紹介した画像の犬の年齢はすべて、里親募集掲載者による推定です。

2021.06.03 ■ 余談一覧に戻る■
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