■ 051 鳥居強右衛門の雁峰山と鏡岩 ■

「強右衛門のろしをあげし雁峰山」・・・この長篠合戦の故事がなければ,登る人などいないのでは?と思われる雁峰山(628m)です。
新城市と旧作手村の境に連なる峰々がすべて雁峰山で,そのピークは西から順に,徳定雁峰・片山雁峰・須長雁峰と名付けられているのですが,さらにその東端にあるピークが,今回の(登山ガイドでいうところの)雁峰山ということになります。

徳定・片山の雁峰山は西から縦走で,須長雁峰山は東の林道から登れます。(須長はハングライダーの発着場がある)
剛の者は4つの雁峰山を一気に縦走するようですが,そんな元気はない私としては,登山ガイドに言うところの雁峰山のみ,山頂東の鏡岩(額岩)と強右衛門の狼煙場を見ることがこのルートの楽しみになります。
奥平氏配下の鳥居強右衛門が岡崎城へ走った道とは,この尾根を西へ縦走し,くらがり渓谷に抜けたという説が有力なようです。
map
この地図は,国土地理院長の承認を得て,同院発行の数値地図50000(地図画像),数値地図25000(地図画像)及び電子地形図25000を複製したものである。(承認番号 平26情復、第48号)
この地図を第三者がさらに複製する場合には,国土地理院の長の承認を得ることが必要です。
東端の雁峰山山頂は,過去に作手側から2回登っていますが,今回は新城から強右衛門ルート(?)で登ります。
県道21号沿いは延々と第2東名の工事中で,ルートが心配でしたが,幸い登山口付近は変わっていませんでした。
No1の常夜灯&案内板から入りますと,登山道は最近の大雨と台風でいきなりの荒れ模様。(倒木だらけ)
No2分岐で道は3つあるのですが,もっとも踏跡の濃い真中のルートで進みます。(空堀道より歩き易いので正解か?)
No3で丸太を束ねた橋を渡ると,次はNo4の雁峰林道下で渡河となります。(水量が多いとたいへんそう)
雁峰林道に出て,100mも東へ歩くと再び登山道の案内板(No5)がありました。

ここからは空掘りの底を歩く難路で(猪の足跡と2輪轍多し),ウンザリする頃やっと元八石,涼み松に到着です。
風が通らずたいへん暑い空堀道は,大雨のたびに荒れが進んでいるようで,いつまで歩けることやら?
400年以上前に長篠城に向け狼煙を上げたという場所は,今は植林に埋もれ,二代目涼み松も枯れ,看板がなければ元八石も区別がつかぬただの岩(元八の刻みは本当にあるのか?),ちょっと残念な風景の中にあります。

この先すぐに林道七久保線に出ますが,右へ林道をたどると土砂崩れで不通,左すぐにある空掘りの道へ入るのが本来でしょうが,もう少し西まで歩くと二輪の轍をたどって空堀を迂回することも出来ます。(No6付近)
右頭上に鏡岩を見上げる場所を過ぎると,再び広い林道に出て(No7)最後の登りとなります。
尾根を登ってもよいのですが,林道を西に回り込み,カーブ地点から東に戻るように登ると100mも歩かず山頂です。
雁峰山X3
帰路はそのまま尾根を東へ下り,鏡岩を見上げたのですが,今回は岩まで登る元気なし・・・そのまま空堀道を下りました。(緑線のルート)行きは2時間弱,帰りは少し飛ばして一時間少々でしたが,ともかく暑くて汗びっしょり。

・徳定,片山,須長の雁峰山はまたいずれ載せたいです。
(山頂だけは右の画像を参照)
・浜名湖から見える鏡岩については,愛知アルプス山行記の懺悔集に載っています。 (残念ながら現在は閉鎖)
・東端ピークの雁峰山の場所はこちら⇒mapion

木道 No1 県道21号に面した登り口。
案内板と常夜灯があります。
県道から一本入らないと駐車に適当な場所なし。
ゆとりがあれば,車は設楽ヶ原歴史資料館に止めたほうが安心だし,見どころも多い。
(馬防柵は必見だし,戦いの陣配置もわかる)
道1道2 No2 登りはじめてすぐ,いきなり荒れた道。

今年9月の2回の大雨のあとに台風が通ればこんなものかもしれません。
もっと上部ではさらに荒れています。
猪 左:まるで猪のヌタ場のような状態の登山道。

右:No3 丸太を束ねた橋。
こんな橋で心配しましたが,犬が渡ることは出来ました。
渡河 No4 沢を渡る。

渓流のように見えますが,ここは雁峰林道直下。
流れを振り仰ぐと,頭上にはコルゲート管の穴から落ちてくる人工の滝が強烈な景色を見せています。
雁峰林道 上記の沢を渡ると雁峰林道に出ます。
雁峰林道は2輪ライダーに人気の道で,それはいいのですが,さらに山中に分け入って登山道を走るオフローダーがいるので困ります。
登山道にも轍があちこち目に付くし,前回は2台に遭遇してます。
のろし No5 狼煙場への案内板。

かなり傷んでますが,この下には解説板も転がっています。
元八松 強右衛門が狼煙を上げたという地点は植林の中で展望はまるでナシ。

左:元八(強右衛門の幼名)と刻まれているといわれる元八石。
右:涼み松・・・完全に枯れています。
養蜂 No7 林道に出るところに養蜂箱がいくつか置かれていました。
ミツバチが出入してるようにはみえません。
分蜂群を捕まえるため?
top 雁峰山山頂。
三等三角点「須長村T」:628.46m。

林道からの最後の登りで,どこか取付きの案内でもあるかと西へ歩いているうちに,前回の登り口に着いてしまいました。
今回も結局,西から登頂して東へ下ることに。
登頂札には今年の物も混じっていました。

鏡岩 帰路には登山道から鏡岩がよく見えます。

距離はわずか十数mですが,かなりの急斜面ですので登るのなら多少の心構えも必要。
暑さに参っていたので今回はパスしました。
view その鏡岩からの展望。
(ただし2009年5月のもの→拡大可)
矢印は風切山かと思われます。
残念ですが浜名湖は写っていません。

2011.10.13 UP ■戻る■
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