■ 140 今水寺跡から吉祥天祠〜吉祥山/新城市 ■

豊橋市の吉祥山は整備されたコースと頂上の全周囲展望で人気の山、私も豊橋側から2回登ってます。
うち1回は新城側北コースの林道まで下って登り返したこともありますが、もうひとつ、北西の今水寺跡から登る旧参道ルートがあるらしい。
武田信玄によって焼かれたという今水寺跡から、この山の由来という奥の院=吉祥天祠へ登るルートを歩いてみよう、と出かけました。
今水寺跡の近くで栗を売っていた地元の方に聞くと、「10年位前までは地元で草刈やってたが、今はどうなってるか・・・」との話。
少々不安ながら行ってみると、熊野神社付近が少々わかりにくいものの、その先は明瞭な踏み跡で要所に道案内もありました。
熊野神社から一時間ほどかけて着いた山頂は、きょうも10人近くが休憩中、かすんで遠望はなくても爽快な秋の展望を楽しめました。
今回は老犬もなんとか登頂できたし、買って帰った栗も茹でておいしく食べ、秋の味覚も味わった一日。
・2014年の吉祥山(Aコース・Cコース)はこちら ⇒No88 吉祥山/豊橋市側から
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この地図は,国土地理院長の承認を得て,同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものである。(承認番号 平29情復、第241号)
この地図を第三者がさらに複製する場合には,国土地理院の長の承認を得ることが必要です。
せっかくなので、まずは今水寺に関係するふもとの延寿庵(地図左上:No1)に行ってみます。
ここには今水寺のものと伝わる「大日如来坐像」と「十一面観音立像」があるらしい。(残念ながら見ることはできなかった・・・最近の盗難の多さを考えれば当然ですが)
ここから300mほど東の今水寺入口のゲート(No2:右画像)は「クサリをはずして登ればいい」と教えてもらったので、その言葉に甘えて車で通過、No5熊野神社の先の林道わき()に止めて歩き始めました。
今水寺跡(No4)では、弘法大師の小堂と石仏、井戸跡、よくある伝承の「血洗い池」などが残っています。
草に埋もれてますが、付近に転がる石には礎石も含まれているのだろうか?
付近を一周探索してから熊野神社の鳥居の左側、薄い踏み跡をたどって登りはじめます。
新城市のHPにあった「参道とされる堀割状の遺構」という一文が記憶に残っていたからですが、これではなく素直に石段を登り神社脇を抜けて行くのが正解ルートだったようです。
それでも少し進むと明らかな踏み跡(上記の正解ルート)に合流できて、案内杭や中電の巡視路標識が現れる頃にはりっぱな登山道になり、やがて林の向こうに送電鉄塔(No7)がかいま見えました。
No6付近まで来ると、株立ちのミズメ(?)やカゴノキの巨樹が左右に見られて、東三河の低山らしい趣きがあります。
尾根(No8)に出るとルートは東に向きを変え、ゆるやかに登りながらやがて吉祥天の祠(No9)に到着です。
これできょうの目的は達成したのですが、ここまできたら山頂まで登って展望を見るというものでしょう。
渋る犬をなだめながら最後の急登を登ると、霞んで見えない南アルプスは残念ですが、作手の山から三河湾、石巻山、県境方面の山々が連なって見えました。
帰り道で吉祥天の祠からついメインのCコースに入ってしまい、気づいて引き返しましたが、下りは分岐に注意が必要。
最後の熊野神社と林道との分岐(右画像)を間違えなければ、神社拝殿の真裏にたどり着けるハズです。
吉祥山の場所はこちら⇒MAPION
01ePort.JPG No1 延寿庵。
(今水寺跡の案内では今水堂)

googleマップでは「廻寿庵」と表示されてます・・・マチガイだと思いますが。
(寿司屋?)

04benten.JPG 左:新城市の給水タンクがある。(No3)
右:その前に12番石仏。
05annai.jpg 今水寺跡の案内図。(遺構図は拡大可)
→遺構図は下が北になってるので注意。

真言密教の寺であり、1573年の野田城の戦いで信玄に逆らったために焼かれたという。
徳川時代には、熊野三社と観音堂のみが残っていたという話。
(富岡ふるさと会館、今水寺の歴史アラカルトから抜粋:元本は新城市誌らしい)
出会い 左:No4 遺構の中心部である弘法堂。
八名井の八つ井戸のうち二つがある。
(右下は藤井戸) 案内



他に「八名井八謎」というのもあるらしい。
切通し No5 熊野神社の鳥居と石段。

新城教育委員会の調査によれば、鳥居前には鐘楼跡の礎石が残っているそうです。
左手の林にも石塔などが散在するという。(延寿院跡)
左の斜面を登って進んだが、正面石段から拝殿裏へ抜けたほうが歩き易かった。
左:神社裏の林の中を進む。

右:すこし歩くと踏み跡は明瞭。

No7鉄塔が目印。(下)
No6付近の株立ちの巨樹。
左はミズメかも?(サクラに似ているので)、右はカゴノキで、これは木肌が特徴的なので間違いないでしょう。(下画像の鹿の子模様)
No8 尾根に出た。
展望
中電標識の下にある案内には「北尾根コース」「八名井・今水寺跡」とあります。

帰りに間違えて直進しないよう注意。
No9 奥の院だったという吉祥天の磐座に着いた。
いつからこんな陶人形が置かれたのでしょう・・・なかなかいい姿です。
左:山頂へ最後の急登を登る。

下:三等三角点「西川村」(382.48m)


左:山頂風景。

右:展望図が新しくなってましたが、390mの明神山は初めて見る。
(画像拡大可)

2017.10.03 UP ■二代目に戻る■
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